⑥テコンドーの型(トゥル)

 トゥルとはテコンドーにおける型のことを指す名称で各級、段において習得すべき課題となるトゥルが規定されており、全部で24種類存在します。


 トゥルは技術、理論、精神を効率的に習得できるように組み立てられた体系であり、攻撃から追撃へ、攻撃から防御へ、防御から反撃へ、防御から防御へ、といった連続動作を一連の流れとして活用できる用に実戦を意識して編纂されたものです。

 

 また、テコンドーで技として規定される動作は使用部位、スタンス、攻撃箇所の組み合わせにより3200種類にも及ぶため、これを一つ一つの個々に習得するよりも複数の動作を一貫した動きの中でまとめて習得できるというメリットもあります。

 

 特にトゥルの習得において重要な事は各トゥルの一つ一つの攻防動作の意味を意識し、常に相手が居ると仮想して正確な動作をリズム良く行うという点です。

 

 トゥルの名称には韓国の歴史上で欠かせない忠国の志士として高名な人物の名前を中心に日付、決意のスローガンといったものが制定されています。


 トゥルを実践する上で彼らの目指したもの、彼らが生涯を通して貫こうとした意思、そして行った行為、決意等を知り、認識することでテコンドーがトゥルを通して伝えようとしている精神を学びます。

 

※二段習得課題の「高堂」の型は、1980年代、朝鮮への普及時、見返りとして同国の思想を意味する「主体」へと変えられましたが、当道場では本来の名称を使っております。


△型稽古の注意点

1、開始地点に戻り終了しなければならない。


2、常に正確な姿勢と目標に対し、身体の方向を適切に維持しなければならさい。


3、全ての動作は力を入れるところ、入れるところを適切に行わなければならない。


4、全ての動作は柔軟でリズミカルに行ない、どのような場合でも力みがあってはならない。


5、全ての動作は百科事典で示すように、速い動作、緩やかな動作、連続動作などをおこなうことによって、「舞踊」となることを防ぎ、各動作の目的を果たすことができる。


6、一つのトゥルを完全に習得する前に、次のトゥルを学んではならない。


7、各動作の目的と方法を確実に理解しなければならない。


8、各動作ごとに敵を想定し練習をしなければならない。


9、攻撃や防御の練習は一方の手や足に偏ってはならない。



△稽古課題

動作 習得級/段位 型の意味

サーシュ

 チルギ

 

 7

10級  

サージュ

   マッキ

8 10級  

天地

 チョンジ

19  9級 東洋において「天地」は、世界の創造あるいは人類の歴史の始まりと解釈されているため、最初に学ぶ型に名づけられた。演武線(+)を2回転する動作で、一回転目は天を表し、二回転目は地を各々意味している。

檀君

 タングン

21  8級 紀元前2333年に古朝鮮を建国したと伝説上いわれている始祖・檀君(タングン)の名にちなんだ。

島山

 トサン

24  7級 日本による植民地支配の時代、その全生涯を青少年の教育の向上と独立運動に捧げた、安昌浩(アンチャンホ)の雅号。

元曉

 ウォニョ

28  6級 西暦686年新羅の王朝に仏教を初めて伝えた高僧、元曉(ウォニョ)大師の名にちなんだ。

栗谷

 ユルゴッ

38  5級 李退渓(イ・テゲ)とともに朝鮮儒学の双璧を成す大儒学者、李珥(イ・イ)のこと。東方の聖人とも呼ばれた彼の字(あざな)である。演武線の「士」は学者を表している。

重根

チュングン

32  4級 祖国独立のために闘った安重根(アン・チュングン)の名にちなんだ。のちに彼は合併に反対し、初代総督伊藤博文を暗殺疑惑のため処刑された。動作数32は氏の没した時の年齢を表している。

退渓

  テゲ

37  3級 栗谷こと李珥(イ・イ)と並び朝鮮儒学の最高峰である李滉(リ・ファン)の字。退渓は彼を尊敬の念をこめて呼ぶ際の別名である。演武線の「士」は学者を表している。37の動作は彼が生まれた地域の緯度を意味する。

花郎

  ファラン

29  2級 7世紀新羅王朝時代の、青年貴族の軍団で当時の朝鮮半島に割拠していた高句麗、百済、新羅の三国を統一する原動力のひとつとなった花朗徒(ファランド)の名にちなんだ。

忠武

  チュンム

30  1級 文禄・慶長の役で戦った李朝の海軍提督、李舜臣(イ・スンシン)将軍の諡号(しごう)。このトゥルが左手の攻撃で終わっているのは、自らの能力100%発揮出きず人生を閉じた事を表している。

廣開

 クァンゲ

39 一段 高句麗王朝19代目で、最強の王と称された廣開土大王(クワンゲトデワン)の名にちなんだ。演武線の「土」は現在の中国東北部にまで領土拡張を果たした事を表し、動作数39は王位に付いた西暦391年の上2桁を表している。

圃隠

 ポウン

36 一段 高麗末期の忠臣、鄭夢周(チョン・モンジュ)の雅号。演武線の「-」は氏の国への一途な忠節を表している。

階伯

 ケベッ

44 一段 百済王朝末期の最強将軍、階伯(ケベク:660年没)の名にちなんだ。演武線「|」は厳格な軍規を表している。

義菴

  ウィアム

45 二段 1919年の三一独立運動に際し、独立宣言文に署名した33名の民族代表の筆頭者のひとり、孫秉煕(ソン・ビョンヒ)の雅号。演武線「|」は 民族繁栄の為に一身を捧げた氏の百折不屈の精神を表している。

忠壮

チュンジャン

52 二段 14世紀翼虎将軍として勇名を轟かせながらも謀略により27歳で非運を遂げた義兵隊長、金徳齢(キム・トンリョン)の雅号。左手で終わる動作は志半ばで処刑された無念を表した。

高堂

  コダン

45 二段 1919年の三一独立運動に参加後、民族実力養成運動の先頭に立ち教育言論文化事業の発展に尽力した曺晩植(チョ・マンシク)の雅号。

三一

  サミル

33 三段 1919年3月1日に、ソウル・パゴダ公園での独立宣言をきっかけに全国を揺るがせた三一独立運動の歴史的な日付を示している。33の動作数は独立宣言文書に署名した33人の民族代表を表している。

庚信

  ユシン

68 三段 高句麗、百済、新羅の三国時代に終止符を打った新羅の大将軍、金庚信(キム・ユシン)将軍の名にちなんだ。動作数68は朝鮮半島統一を果たした西暦668年の下二桁を表している。

崔瑩

  チェヨン

46 三段 高麗王朝末期の武人政治家、チェ・ヨン将軍の名にちなんだ。当時、彼の忠誠心と愛国心、謙虚な姿勢は国民の支持を受けたが、部下(イ・ソンゲ)のクーデターにより処刑された。

淵蓋

  ヨンゲ

49 四段 高句麗末期の勇猛な将軍、淵蓋蘇文(ヨン・ゲソムン)の名にちなんだ。動作数49は大陸に君臨していた唐の太宗が率いる30万の侵入軍を撃退した西暦649年の下二桁を表している。

乙支

  ウルチ

42 四段 612年に隋の煬帝に率いられた約百万の隋軍の侵入を撃退し、高句麗の防衛を果たした乙支文徳(ウルチ・ムンドク)将軍の名。 演武線は氏の名前の「乙」の字のイメージである。42の動作はこの型が完成した当時の創始者の年齢。

文武

  ムンム

61 四段 高句麗、百済、新羅の三国を統一した新羅第13代目の王である文武(ムンム)を称えて名づけられた。動作数61は王位に即位した西暦661年の下二桁を表している。

西山

  ソサン

72 五段 文禄の役に抗して僧侶義兵軍を組織した、李王朝時代の高僧、崔玄應(チェ・ヒョヌン)の雅号。動作数72は氏が僧兵を組織した時の年齢を表している。

世宗

 セジョン

24 五段 1442年世界初の測雨器、1443年にハングルを編み出すなど、史上最も偉大な王として有名な、世宗(セジョン)の名にちなんだ。演武線(王)は王である事を表す。

統一

  トンイル

56 六段 世界で唯一残された分断国家の統一を願うことを意味している。演武線の「|」は両国の国民が分けられる謂れ無き一つの民族である事を表している。



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